どうも、わたしです。
2020年に本土最南端の佐多岬を攻略してしまったので、北と東と西の果てもいずれ攻略しようと思っていたら、西について意外と早くチャンスが訪れたので、ちょっと気合い入れて行ってきました。
2022年のゴールデンウイーク、名古屋から本土最西端 神崎鼻(こうざきばな)へのツーリングの記録です。
なお、例によって完全1人行動です。
ツーリングの記録
概要
- 出発地:愛知県名古屋市
- 目的地:本土最西端 神崎鼻(長崎県)
- 走行距離:1362km(往路980km 復路382km(新門司→大阪フェリー利用))
- 所要日数:4日間
- バイク:ホンダ ADV150
出発地 | 立寄地 | 終着地 | 走行距離 | 給油 | 燃費 | |
5月2日 | 名古屋市 | 三原市(広島) | 435km | 11.68l | 37.2km/l | |
5月3日 | 三原市(広島) | 毘沙ノ鼻 | 佐賀市 | 431km | 9.76l | 44.2km/l |
5月4日 | 佐賀市 | 神崎鼻 | 新門司港 | 299km | 6.97l | 42.9km/l |
5月5日 | 泉大津港 | 名古屋市 | 197km | 4.96l | 39.7km/l | |
合計 | 1362km | 33.31l | 40.9km/l |
計画立案
計画を立てることがツーリングの楽しみの過半を占めているかもしれません。
立案にあたって考慮すべき要素は以下です。
- 所要日数
- 目的地・立寄地
- 1日の走行距離
- 宿泊場所
- ルート
- 非常時のバックアップ
以上を踏まえて、計画を考えていきます。
①所要日数
九州往復となるとさすがにまとまった日数が必要です。
2022年のゴールデンウイークのわたしの予定は、4/30(土)~5/8(日)の9連休となっていました。
5/1(日)が娘のバレエの発表会で、翌日5/2(月)出発とすると最大で7日間使えます。
しかしながら家族と過ごす時間も大切なので5/2(日)~5(水)の4日間で予定を組むこととしました。
トラブルに備えての予備日も確保しています。
②目的地・立寄地
目的地は、本土最西端 神崎鼻です。
ついでに、通り道にある本州最西端 毘沙ノ鼻にも寄ることします。
どちらも地名に「鼻」と付いていますね。
「ハナ」は元々は「先端・とがったところ」を広く意味する言葉であり、そこから転じて海に突き出た岬のような地形に用いられるようになりました。
「崎」も同じような意味があるので、神崎鼻は同じ意味の漢字が2つ続いているわけです。
で、なぜそこを目指すのかですが、到達することそのものが目的なので、行きたいから行くとしか答えようがありません。
まったくバイク乗りと言うのは度し難い生き物です。
③1日の走行距離
名古屋の自宅から、毘沙ノ鼻を経由して神崎鼻までの道のりは、Google Maps先生によると約950kmあります。
これを4日間で往復となると、単純計算で1日に475km走らなければなりません。
ADV150でこれまで1日に走った最長距離は300kmくらいでした。
高速道路を使って1日9時間くらい走れば行けなくもなさそうですが、高速道路でこれだけの長時間走ったことが無いので不安ではあります。
が、距離と日数の関係でどうしてもこうなるので、一旦これで仮の計画を考えることにします。
④宿泊場所
適当なビジネスホテルでもいいのですが、今回は宿泊にはインターネットカフェの快活CLUBを利用することにします。
鍵付き完全個室(事前予約可能)なら寝るのに支障はありませんし、何より好きな時間に出発できるのが利点です。
ホテルだと朝食とかチェックアウト時間とか多少気にしなければなりませんしね。
あと、読みたいマンガがあったのも理由の1つです。
⑤ルート
今回はとにかく行って帰ってくることが目的なので、道中の名所やグルメスポットは一切無視します。
となると、自ずとルートは限られてくるわけで、問題は1日にどれだけの距離を走るかだけです。
上述の通り高速の長距離走行に若干不安があったことから悩んでいましたが、いいものを見つけました。
それは、阪九フェリー。
福岡の新門司港から神戸・大阪までを結んでいます。
夕方に出港し翌朝に到着なので、これで一気に距離と時間を稼ぐことができ、1日の走行距離も抑えることができます。
その後、試行錯誤の末、以下の通りルートを決定しました。走行予定距離はGoogle Mapsからのものです。
出発地 | 立寄地 | 終着地 | 宿泊 | 走行予定距離 | |
5月2日 | 名古屋市 | 三原市(広島) | 快活CLUB三原店 | 430km | |
5月3日 | 三原市(広島) | 毘沙ノ鼻 | 佐賀市 | 快活CLUB佐賀本庄店 | 440km |
5月4日 | 佐賀市 | 神崎鼻 | 新門司港 | 阪九フェリー | 310km |
5月5日 | 泉大津港 | 名古屋市 | - | 200km | |
合計 | 1380km |

早速、フェリーと快活CLUBの個室の予約を取ります。
⑥非常時のバックアップ
完璧な計画を立案しましたが、いつも計画通りに事が運ぶとは限りません。
トラブル発生時の対応をも考えておく必要があります。
事故等で走行不能になることを除いて、考え得るトラブルとしては、こんなところでしょうか。
- 悪天候
- 予定の走行距離を時間内に走り切れない
- フェリーが欠航
いずれも時間をかければどうにでもなりそうです。このために日程に余裕を持たせておくんですね。
バイクで走れないような悪天候の場合はそもそも出発を取りやめます。
計画はばっちりです。
着替えとお泊りセットくらいしか持っていかないので、三泊四日程度ならADV150のメットインに納まってしまいます。
シートバッグ等の積載は無く、とてもロングツーリングに出かける風情には見えませんが、これもADV150の利点の一つでしょう。
そうそう、高速の二輪車定率割引の申請を忘れずに実施しておきます。
実際に100km以上高速を走ることになるかはわかりませんが、申請するのはタダなので5/3(火)~5(木)で申請しておきます。
ツーリング1日目
8:15 名古屋市内の自宅を出発。ADV150のメーターは5190kmを示しています。
本日の目的地は広島県三原市。予定走行距離は430km。
名古屋市内で高速に乗り、東名阪→新名神→山陽道と福山西ICで降りるまでひたすら走ります。
走り始めてしばらくして気が付きます。

日中は25度を超える予報でしたが、朝方はまだ気温が上がっておらず、高速道路で受ける風が想像以上に体感温度を下げます。
なので、サービスエリアに止まって、念のために持ってきていたネックウォーマーとユニクロのウルトラライドダウンベストを着用。
これでだいぶ落ち着いたので、引き続き西へ走ります。
11:30 西宮名塩SAで昼食。スタートから190kmです。まだ半分も来ていません。
その後、山陽道に入り西へ西へ。
順調に走っていましたが、今日の走行距離が400kmを超えた辺りで疲れを感じ始めます。
本日のゴールはもうすぐですが、予定の時間より早いこともあり道の駅 みはら神明の里でしばし休憩。
16時半頃、快活CLUB 三原店に到着。
本日の走行距離は435kmとなりました。ADV150での新記録です。
思ったより行けたなという安堵と、400kmを超えてからの疲労感にちょっと戸惑い。
適当に食事してシャワー浴びてマンガ読んで、明日に向けて早めに就寝しました。
ツーリング2日目
6:00 出発です。ADV150のメーターは5625kmを示しています。
本日は本州最西端 毘沙ノ鼻に立ち寄ってから、関門海峡を渡り九州上陸。そのまま佐賀市を目指します。予定走行距離は440km。
しかし、昨日の時点で予想していましたが、寒い!!!
こちらも念のために持ってきていた冬用のスパッツまで着用しましたが、それでも高速を走っていると凍える寒さ。
日が出て気温が上がるまでは小まめに休憩を取りながら走ります。
ちなみにこの辺でグリップヒーターの緩み(後述)が発生し、微妙に出力不足な状態での走行となり苦労していました。
いい加減高速を走るのにも飽きてきた頃、中国道 小月ICを降ります。
ここからは下道で毘沙ノ鼻を目指すわけですが、なかなかに気持ちの良い道が続きました。
ずっと単調な高速を走ってきたこともありますが、「俺がが走りたいのはこういう道なんだよ!!」というのを改めて実感。
気温も上がってきて、ようやく走っていて気持ちの良い瞬間が訪れました。
10:40 毘沙ノ鼻に到着。バイクも車も、意外と人がいました。
じっくりと味わいたいところですが、ここはあくまで通過点。
感慨に浸るのはまだ早いので、先を目指します。
毘沙ノ鼻の手前にいい感じの恐竜の絵が描かれた道があったので、帰りにちょっとだけ撮影会。
本州最西端到達証明書というものを入手するために下関駅へ。
100円支払い、証明書入手。
駅構内で昼食を済ませ、関門海峡へ向かいます。
関門海峡を越えるには、関門橋か関門トンネルのどちらかになりますが、せっかくなので前者を選択。
下関ICから高速に入ると関門橋が見えてきて、そのすぐ向こうには九州が。
っていうか、九州近くない?
関門橋短くない?
あっという間に橋を渡り切って九州に上陸してしまいました。

その後は時間に余裕があったことと、毘沙ノ鼻への道中で下道の方が気持ち良いと再認識したため、下道を使って佐賀市まで移動。
16時頃、快活CLUB 佐賀本庄店に到着。
本日の走行距離は431kmとなりました。
後半は下道中心でしたが、やはり400kmを超えてからは疲れを感じました。
洗濯して、DAZNで鹿島vs磐田の見逃し配信を観戦して、就寝。
ツーリング3日目
7:30 出発です。ADV150のメーターは6056kmを示しています。
本日はいよいよこの旅の目的地、本土最西端 神崎鼻へ到達します。
証明書入手のために道の駅へ行き、その後は流動的ですが最終的には新門司港へ行きます。予定走行距離は300km。
前日の反省から、寒さ対策に着込んでいましたが、さすが九州。朝から気温が上がっていたので冬装備は脱ぎ捨てました。
あえて高速は使わず下道で神崎鼻を目指します。
途中、私も名古屋から来てるんですよというおっちゃんに絡まれたりしながら、快晴の下、気持ち良く走ります。
途中、伊万里から佐世保に抜ける国道498号が望外のワインディングロードで楽しめました。
150ccでは非力さを感じるところもありましたが。
ツーリングマップル九州版は所有していませんが、快走路マークがついているんじゃないですかね、ここ。
山を下り、佐世保市内に入ってしばらく走ると、ついに本土最西端 神崎鼻の案内が出始めます。
名古屋を出発してから3日目、ようやくゴールが近付いてきたのを実感します。
海の見える道から、岬へ通じる道特有のちょっと上がって下る感じになってきます。
本土最南端の佐多岬と違って、すぐ近くまで民家や漁港があるのが新鮮でした。
そして9:50、ついに到達です!名古屋から980km!
公園としてきれいに整備されているので、感動に浸りながらしばし散策します。
輝く太陽もこのわたしを祝福してくれているかのようです。
とりあえず噂のモニュメントを拝んでおきましょう。
下に降りてみます。きれいな海です。
上にも行ってみましょう。
神崎鼻公園はきれいに整備された、気持ちのいい場所です。
本土最西端という付加価値を除いても、ここからの眺めは素晴らしいものがあり、訪問する価値のある場所だと思います。
自宅に電話して娘に到達を報告してみたり、VRoidで撮影をしてみたり、これまでの人生を振り返ってみたりしながら、しばし休息を取ります。
気が付けば1時間以上滞在していたでしょうか。
ようやく腰を上げ、名残惜しいですが次の目的地、道の駅 させぼっくす99へ向かいます。
ここで本土最西端到達証明書を入手します。無料でした。
これで四極のうち2つを入手。残る北と東は北海道です。

昼食はあえて佐世保バーガーをスルーして、水陸機動団飯ごうカレーとします。
名前の割に優しい味でした。入れ物がすべて。
家族への土産を物色します。なんつーか、けしからん道の駅ですね。
本土最西端に到達し、証明書も入手したので、この旅の目的は果たしました。
もうやることもないので、時間に余裕はありますが高速で一気に新門司港へ行くことにします。
15:30 新門司港 阪九フェリーターミナル到着。
本日の走行距離は299kmとなりました。
17:30出港なので少し早いですが、受付を済ませ、乗船時間まで待機します。
16:15 乗船。
シングルスタンダードルームで落ち着きます。
ビールでも飲みたいところでしたが、佐多岬からの帰りのフェリーで大いに船酔いしたことを思い出し(台風の影響もありましたが)、お酒はガマン。
食事を取り、久しぶりに風呂に入って、はやさっさと寝ます。
大阪の泉大津港には翌朝6:00到着予定です。
ツーリング4日目
5:00 起床。
船内で販売しているパンで朝食を済ませ、身支度を整えます。
6:00 予定通り泉大津港に到着。自宅へ向けて出発します。
ADV150のメーターは6355kmを示しています。ラスト200km、家に帰るまでが遠足です。
9:15 帰宅。
総走行距離1362km、出発から73時間。
ADV150で本土最西端を目指すツーリング、これにて完結です!
感想
完走した感想ですが、まずは無事に目的を果たして帰ってこれたことに満足しています。
寒さに震える時間もありましたが、総じて天候には恵まれ、気持ち良く走らせてもらえました。
4日間(実質3日半)という限られた日程の中で、うまくスケジュールを立てることができ、実行することができました。
阪九フェリーを利用したのは我ながら賢い選択だったと思います。
心配していたADV150での高速道路長距離走行ですが、全然余裕です。
ただ、排気量なりにしんどいところはありました。
山陽道は意外とアップダウンがあり、登り勾配に入ると80kmをキープするのがやっとという場面も何度かあり。
まあ左車線ずっと走っていれば別にいいんですけどね。
1日の走行距離は450kmが限界かもしれません。
500kmにチャレンジする気は今は起きません。
ADV150で高速で長距離行ける?と問われたら、答えはYESです。
ただし、排気量をわきまえて無理せずに走りましょう。
寒さ対策が甘かったのは反省点です。
佐多岬ツーリングの際に想定外の寒さから急遽ワークマンで防寒用品を買い足す羽目になったので考えてはいたつもりでしたが、高速道路走行による風と冷気が誤算でした。
唯一のトラブルと言えるのが、グリップヒーターの緩みです。
ハンドルの右、スロットル側の接着が緩くなってしまっていて、フルスロットルに回しているつもりが回り切っておらず、出力不足状態になっていた時がありました。
この状態で高速の登り勾配に入り、気が付くと70kmくらいしか出ていない。
このトラブルは前にクロスカブに乗っていた時にも発生していたので、もしやと思ってハンドルをグリグリ動かすと明らかに滑ってます。
奥側にずらしたり、アクセルを開ける際は強く握る等、試行錯誤しながらなんとか乗り切りましたが、ADV150の全力が出せていなかったのは残念です。
出発前に点検に出していたんですけどね。
佐多岬に比べると距離も日数も短いんですが、それでもけっこうなチャレンジをやり遂げました。
達成感に浸っています。
これでしばらくは大人しくなるかと思います。
とか言いながらまたすぐどこか行きたくなるんだよなあとも思っています。

おまけ
旅のお供の黒須さんです。 → VRoid